突然ですが皆さんはニコニコ動画に対してどんなイメージを持っていますか?
もしかしたらあまり良いイメージを持っていないという方も多いのではないでしょうか?
つい最近までは私もその一人で、昨年末にプレミアム会員を解約してからはニコニコには良い印象を持っていませんでした。
しかし最近、Vtuberの動画を見るためにニコニコにアクセスすると、以前までの不満点が大幅に改善されていることに気が付きました。
以前までのニコニコ動画への印象が変わると同時にプレミアム会員へ再入会することにしました。
今回は最近行われているニコニコの改善と、私がプレミアム会員に再入会した理由についてまとめたいと思います。
5/22にニコニコ動画に関する新たな発表があったため追記しました。
ニコニコ動画とは?
Youtubeのような動画共有サービスですね。
動画内にコメントが流れるシステムや独自のランキング機能が他の動画サービスと異なる点です。
2010年前後に繁栄を極め、ニコニコ独自のコミュニティや文化を生んできました。
また、ニコニコ超会議などのリアルイベントも長年開催しています。
衰退するニコニコ動画
そんなニコニコ動画ですが、2016年頃をピークに衰退が目立ち始めます。
2015年まで増加し続けてきた月額制の有料サービス「プレミアム会員」の会員数が2016年前半に初めて減少し、2017年8月にはWEBサービス(ニコニコ)部門の営業利益が赤字に転落します。
2017年末にはプレミアム会員減少のニュースが改めて報じられるなど、ここ数年はあまり良いニュースを聞きませんでした。
私が一度プレミアム会員を解約したのも2017年末頃です。
なぜ衰退したのか?
ニコニコ動画は独自のコメント機能と文化により楽しい面も沢山ありましたが、その一方でなかなか改善されない不満点も多くありました。
それは以下のようなものです。
- ログインしないと動画が見れない
- 動画が低画質
- 読み込みが遅い
- 好きなところから再生できない
- 生放送を追い出される
- 動画の容量に制限がある(投稿に制約がある)
- 快適なサービスの利用には課金が必要
以前のニコニコではYoutubeをはじめとする他の動画サービスでは当たり前の機能が利用出来ず、特に画質や読み込み速度などインフラ面での不便さが目立ちました。
これらの不便さは有料のプレミアム会員になることで多少は緩和されますが、質の高い無料のサービスや、ネットフリックスなどの他の魅力的な月額制サービスが溢れている中で、あえて機能を制限してその解除に課金を要求するといったニコニコ動画のスタイルが利用者から支持されなくなるのは当然の流れだったと思います。
なぜプレミアム会員に再入会したのか
さて、ここで「なぜプレミアム会員に再入会したのか」という本題に戻りたいと思います。主に理由は3つあります。
インフラ面での改善がみられた
一つ目は、インフラ面での改善が見られたことです。
きっかけはVtuberの動画をニコニコで見ていた時に、以前感じていた不満点が大幅に改善されていることに気がついたことでした。
ログイン不要で動画が見られるようになっており、動画も高画質化とサイトの軽量化が体感できました。
そこで調べてみたところ、以下のような改善が行われていたようです。(2018年5月時点)
- ログインなしで見れるようになった
- 視聴時に自動で最適な画質に切り替わる
- フルHDの動画の投稿・視聴が出来るようになった
- 動画投稿者が動画の説明文を編集するのが簡単になった
- ニコニココミュニティのフォロー上限が増加した
- 生放送の高画質配信、遅延改善、自動画質選択
- 音楽アプリ「Nicobox」で待機時間が無くなった
- 生放送の軽量化
まぁ「何をいまさら」「他では当たり前」といった声も聞こえてきそうですが、長年改善されなかった問題が、ここ数か月でいくつも改善されているのをみると、ようやく運営が真面目に改善に乗り出したということはうかがえます。
また、調べている中でプレミアム会員のメリットの一部も拡充されていることに気がつきました。
- 生放送配信枠の自動延長
- 生放送のHD配信枠の増加→年内に無制限に
- 動画の再生速度で1.5倍と2倍速を選択可能
- コミュニティフォロー上限が300から600個へ
加えて、年内には以下のような改善や機能拡充も予定されています。
追記:5/22の生放送にて今後の取り組みついてより詳しい発表がありました。この次の項で詳しく紹介します。
- 更なる画質向上と速度改善
- 配信者への投げ銭機能
- 都度課金のサービス
- Vtuber番組の充実
- 生放送の追いかけ再生(プレミアム会員のみ)
- オリジナルゲームやニコニコと連携したゲームの追加
- androidアプリでのアンケート参加
- ランキングカテゴリの見直し
ニコニコのアップデートはよく延期されることでも有名ですが、ここ数ヶ月の動きをみていると、恐らく今回は予定通り行われるのではないかと思います。
特にプレミアム会員向けに予定されている「生放送の追いかけ再生」は魅力的ですね。
これが実装されれば、生放送を途中からみた際でも通常の動画と同じようにシークして過去の部分から再生することができ、利便性がさらに高まります。
Vtuber番組の充実
次に、これは個人的な趣味の話になってしまうのですが、Vtuber関連の動画が増えてきたのもプレミアム会員に再入会した理由の一つでした。
昨年末から始まったVtuberブームですが、ニコニコ運営もこの収益機会を逃すまいと考えているらしくVtuber関連のコンテンツ拡充を模索しているようです。
「今年以降、VOCALOID以来最大のネット文化のムーブメントが見込まれる」とし、niconicoで番組の充実や、クリエイター/ファンからの収益、VTuberのマネジメントなどにより収益機会を拡大。技術とユーザー基盤の活用で市場成長を加速、収益の囲い込みを図る。
(出所:『niconico、独自ゲーム投入や“投げ銭”都度課金、VTuber活性化で収益改善へ』)
実際、最近では「バーチャルキャスト」というVRライブ・コミュニケーションサービスを公開しており、VtuberやVRコンテンツが好きな人にとってはますます楽しいコンテンツが増えていくものと思われます。
ニコニコの雰囲気が好きだった
最後に、何よりもニコニコの雰囲気が好きだったということも挙げられます。
確かに、他の動画サービスが沢山あるなかでニコニコ動画が飛び抜けて良いコンテンツ提供しているかと問われれば疑問が残ります。
しかし、それでも独自のコメント機能による「みんなで動画を見ている感覚」や、秀逸なコメントの数々はそれだけでも見る価値があると感じました。
また、Youtubeのようにパーソナライズされたおすすめ動画も新しい発見を与えてくれますが、ニコニコのランキング機能や、カテゴリ・タブ機能で新しい動画を自分で開拓していくのも良さがあります。
追記
5月22日で公式による生放送が行われました。
内容は「ニコニコ動画とニコニコ生放送サービスの改善と今後の取り組みについて」と「ニコニコ(く)」の詳細です。
まずは4月末までの機能改善された項目の一覧です。
4月末までの機能改善をお約束し対応した項目と、
それ以外にも機能改善した項目を一覧にまとめました。 pic.twitter.com/HIES847OtV— ニコニコ@ニコ動公式 (@nico_nico_info) May 22, 2018
思ったよりも多くの改善が行われていたようですね。私も発表を見て初めて気が付いた部分が多くありました。
そして以下が今後の取り組みについてです。
『ニコニコ動画のサービス改善について』
基本的にはインフラ面でも改善と若干の機能拡充ですね。
2015年に廃止された、動画やコメント、タグなどを評価できる機能である「ニコる」の復活は一部ユーザーに喜ばれています。
『ニコニコ生放送のサービス改善について』
生放送では機能の拡充が目立ちます。
また、生放送でもログインせず見られるようになるのは良いですね。再生数も伸びやすくなるのではないでしょうか。
加えて、ニコニコの新バージョン「ニコニコ(く)」の詳細が発表されました。
「ニコニコ(く)」の開始は6月28日を予定、主な変更は以下のようなものです。
1.サービス改善
・ニコニコ生放送のHD(720p)画質配信の枠数制限撤廃やニコニコ生放送の非ログイン視聴対応を実施するほか、ニコニコの回線を約2倍に増強(730Gbpsから1400Gbps)。
・生放送のHD画質配信においては、ソシオネクストと共同開発したトランスコードシステムを導入します。従来のサーバーのみの構成と比較して2倍以上の処理能力を達成できるため、すべての生放送の高画質配信できるようになるとのこと。2.総合/動画/生放送の各トップページを改修
・総合トップと動画・生放送の各トップにおいてデザインを一新。生放送においては、現状の公式生放送のみの表示ではなく、ユーザー生放送の番組情報も表示されるようになる。3.ランキング・カテゴリの見直し
・ランキングにおいては、現状から大きく改善をするため抜本的な見直しを予定。
・カテゴリにおいては、現状の分類が旧来のままのため、新しいカテゴリの追加に向けてユーザー意見を募るSlackページを後日開設する。4.投げ銭機能の導入
・VRライブコミュニケーションサービス「バーチャルキャスト」と「ニコニコ生放送」において、投げ銭機能の導入を夏に予定。今後、そのほかのサービスにも対応予定。
恐らく、目玉は「投げ銭機能」ではないでしょうか。
投げ銭は、もはや他の動画サービスでは当たり前の機能になっていますが、ニコニコの生放送との親和性は非常に高いものではないかと思います。
こういった機能の拡充を機に、面白い配信者さんがニコニコにもっと増えるといいですね。
まとめ
ニコニコ動画には依然として他の動画サービスに劣る点や改善点が多く残っていると思います。
その一方で、ニコニコ独自の良さも残っており、かつ最近では長年放置されていた欠点が改善されつつあり、加えて新しい機能やコンテンツも追加されつつあります。
「ニコニコ動画、昔は好きだったけど最近は全然アクセスしていないな」という方は、この機会にアクセスしてみてはどうでしょうか。